世代間の
橋渡し役として、
次の組織と人をつくる。
*インタビューは2018年9月当時のものです

技術と知識の継承がテーマに

私は、城洋の大卒一期生として13年前に入社しました。内定時は営業職を希望していましたが、「ものづくりを知らんことには営業も務まらんやろ」と当時の⻆田城治専務(現社長)から助言をいただいて、在学中に製造現場でアルバイトを経験。適正を見定めていただき入社時に機械製造部に配属されました。

工場は、素晴らしい技術を持つベテラン社員ばかり。親ほど年齢が離れ、根っからの職人肌で「感覚で覚えろ」という世界です。最初は近づきがたい雰囲気でしたが、失敗時に手厚くカバーしてくださるなど、徐々に距離が縮まっていきました。

私の後にも若手社員が次々と入社してきました。彼らをまとめるのが私の役割となり、城洋も感覚知の技術から、自動化・高度化や総合的な生産効率の向上を目指す方向に転換し始めていました。
持続的な事業拡大を実現するためには、生産体制の増強も大きな鍵を握ります。品質管理規定や生産効率を一から見直し、磐石な体制を築く必要も生じていました。

城洋のものづくりを担う工場現場において、ベテラン社員の技術を継承し、若手社員を育成し、次の成長につながる生産体制をつくることが、私のミッションとなったのです。

長年勤められた前工場長の後を継ぎ、若手の私が工場長に就任するにあたって、一年間の教育期間が設けられました。これは当時の会社規模だからこその特別処遇だったと思いますが、社長や会長からご指導頂いた経営哲学や組織運営に関する生きた知識、そして異常に気づく嗅覚という危機管理の要諦は、今の私の指針となっています。


対応力と競争力を高めていく

私たち機械製造部は、大手製綱メーカーとのお付き合いのなかで信頼関係を築き、多様な技術加工のご要望にお応えしてきました。豊富な実績に基づくソリューション型の提案が可能な体制と技術も備えています。また、幅広いニーズへの対応力もあると自負しています。

今後の展望としては、城洋が培ってきた技術力を今の時代に合った形で継承し進化させることで、お客様のニーズに高いレベルでお応えし続けていくことを最優先に考えています。

その次の構想として、鳥取新工場での加工技術の研究開発にも力を入れ、「城洋さんにぜひ頼みたい」と各方面からお声がかかるような、競争力のある技術や製品をつくっていきたいですね。その突破口を開くのが、いま順調に納品実績を積み重ねている航空関連の事業だと見ています。

これらを一つずつ実現していくためには、まず“人”ありきです。人材育成は、強い組織をつくる上で常に最も重要な課題です。


「想いやり」に基づくマネジメントを

城洋に受け継がれる伝統として、前社長も現社長も「想いやり」を大切にされていることがあります。たとえば部下を叱るにしても「相手のために叱る」という姿勢で、丁寧なフォローを欠かされません。私自身も、相手の立場に立った提案やマネジメントを常に意識するようにしています。

仕事を始めてから、「あ、自分はメンタルが強いんだな」と気づきました。あまり落ち込んだり、ネガティブなことは考えたりしない性格で、「叱られるかもしれないが、とりあえずこれを社長に提案してみよう」と決断して、前向きに実行に移せるところが強みです。もしかしたら、仕事がこのような性質を引き出し、育ててくれたのかもしれません。

私の夢は、やはり“人”にかかわること。部下たちが一人でも多く管理職に就き、一つ上のステージで活躍し、より大きな達成感を感じてくれるのが何よりうれしい。私は彼らの力を信じているため、必ず実現してくれると楽しみにしています。

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